木苺の棘
漣は、チアキの着ていた
ジャケットと帽子を借り
サングラスをかけて
チアキに成り済まし

ホテルの前で漣の姿を
待ち構える報道陣の脇を
通り抜け

マネージャーが運転する車で
ありすの家へと向かっていた

「だめだよ
 ここに来てはいけない
 
 私達の事を嗅ぎまわってる
 記者がいた・・・」

「一般人の、お前の所にまで
 ・・・記者の奴に
 何か言われなかったか?」

『貴女も、亡くした恋人は
 忘れられない?』

漣の問いかけに、すぐに
答える事ができない私。

「何を言われた?」
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