木苺の棘
「アリス
 
 出かける用意をして
 待ってろ

 すぐに逢えるから」

「うん、待ってる」

通話を切った私は、想う。

『俺に触れたのはお前
 それが真実・・・』

私は・・・

言えるだろうか?

巽を愛していない

そう、きっぱりと
漣に言ってあげられる?

『俺を忘れて・・・』

私は、漣を待つ。

貴方に逢いたい。
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