木苺の棘
「アリス
 今夜は、このまま
 眠らずに話そう」

「うん、いっぱい話そう」

私達は、眠ることを忘れて
夢中でいろんな話をした。

お互いの、幼かった頃の話。

「アリス
 方言で話せば
 かわいいよ」

「ほんまに
 そんなら、今から話すわ
 
 私、ほんまは引っ越すの
 めっちゃ嫌やってん

 友達と離れた無いし
 東京なんか胡散臭いし
 
 でもな、しかたないやん
 私、まだ子供やったから
 
 でも行きたないって、毎日
 言ってたらな、おばあちゃん
 が一緒におってもええって
 言ってくれて
 
 悩んでんけどな、親が
 ・・・・・・・・・」
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