木苺の棘
早口でペラペラと話す私に
目が点、状態の漣。

つい、笑ってしまう私。

「付いてこれとう?」

「無理」

「やっぱり」

二人で、笑い合う。

そして話は、思春期で
反発した中学校時代へ・・・

そして、二人が
出会った高校生の頃・・・

「あの日の事、覚えてるか?
 ヤエが熱を出して
 二人で芝居を見た日・・・」

「覚えてるよ
 隣に座る貴方の事が
 気になって、本当は舞台
 どころじゃなかったもの
 
 大好きな、たまき先輩と
 二人きり・・・
 
 とっても、嬉しかった」

「俺も、お前と過ごせて
 嬉しかったよ」

貴方の言葉に、私の心は
震える。

「ほんとう?」
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