木苺の棘
「レン、愛してる
 今すぐここでキスして」

触れる唇は、とても温かい。

貴方の愛を感じる・・・

止め処なく流れ落ちる涙は
八重の涙。

私の中に潜む、八重は
今やっと、愛する人の
愛に触れ、愛を知る。

「レン
 一月ぐらい逢えなくても
 私は、大丈夫だよ
 不安に思ったりしないよ」

貴方の愛は、確かにここにある

「だから、心配しないで
 ロスへ行って
 そして、素敵な曲を歌声を
 聴かせて・・・」

力強く、その腕に
私を抱く漣。

「ああ
 すぐに帰って来る
 
 待ってて」

「待ってる」

そして、漣は飛び立った。
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