木苺の棘
ロビーで待っていた、彼女。

「レンさん
 やっと、逢えた

 どうしても貴方に会いたくて
 映画の撮影を抜け出して
 来ちゃった」

漣の前、立ちはだかる
マネージャー永戸。

「イワサさん、困ります
 このような行動は慎んで
 頂きたい

 貴女も、この業界で
 生きる人なら
 今が、どういう時期か
 分かりますよね?

 やっと、騒動が落ち着いて
 きている今、撮影の現場を
 抜け出して会いに来るなど
 この事がマスコミに
 バレでもしたら・・・
 格好の餌食にされる」

「ごめんなさい

 でも、どうしても
 レンさんに会いたくて」

「それにしても、どこで
 情報を・・・?」
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