木苺の棘
見つめる足元。

真赤なピンヒール。

ポタポタ

アスファルトを打ち付ける雨

グレーの地面がどんどん
どんどん黒く染まっていく。

見上げる私の頬に雨粒が落ち
私の頬を濡らす涙と混じる。

涙は、止め処なく溢れ
雨と共に落ちる。

雨に濡れた私は、店の扉を
開き、その場に立ち尽くす

「あら、まあ、雨?
 モカちゃん
 ずぶ濡れじゃないの」

流れる涙・・・
 
「モカちゃん
 どうかしたの?
 何かあった?」

「ごめん、なさい
 ごめん・・・」
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