木苺の棘
露歌さん、貴方はきっと・・・

「イサミさんの事を
 今でも・・・」

私の問いかけに、彼女は
強い意志を持つ表情で
答えた。

「ええ、今でも
 イサミを愛しているわ
 
 タツミや違う男に抱かれても
 私は、やっぱりイサミを
 忘れられなかった

 馬鹿な女でしょう?
 自分から捨てた男を
 いつまでも想ってるなんて」

「バカだなんて
 私は、思いません
 ツユカさん、貴女は決して
 バカなんかじゃない」

「私も、アリスと
 同じ気持ちです」

「モカちゃん、リラちゃん
 ありがとう・・・
 
 私、私ね、どうしても
 イサミを助けたいの
 でないと彼は、また
 刑務所に戻ることになる

 ううん、死ぬかもしれない

 でも、私では
 イサミを止められない」
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