木苺の棘
人騒がせな彼女の想いに
振り回されただけ・・・

俺は今、問いかける
目の前の彼女に。

「どうして、俺への想いを
 君は諦める事ができた?

 本当に、夢を守りたいと
 想う気持ちからだけ
 なのか?」

「いえっ、本当は
 それだけじゃない・・・

 あの日、レンさんの
 彼女さんに言われた言葉で
 私、思い知らされたんです」

『わたしとあなた
 二人で、レンを
 共有しよう
 レンは
 私達、二人の物』

声を震わせながらも
嘘偽りの無い言葉を告げる
綺麗な女性。

「あんなにも大人で
 綺麗な人に
 あんな風にきっぱり
 言われたら
 私なんて勝ち目無いですよ
 ・・・」
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