木苺の棘
付き人と共に、楽屋を
出て行く捺の後姿。

「レン、17歳の女の子に
 何、遊ばれてんの?
 挙句に、振られて」

チアキの言葉に、俺はもう
笑うしかなかった。

「そうか、俺
 振られたんだ・・・」

チアキの笑う声が響く。

「レン
 アリスに逢いに行って
 やれよ
 
 邪魔するものは何も無い」

アリス・・・

『共有しよう』

お前が放った言葉に
傷つくだけの俺

俺は自分が情けなくて
お前に合わせる顔が無い。

邪魔するもの

何も無い・・・?
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