木苺の棘
『愛してる
 
 アリス、お前を

 愛してる』

巽の愛が、私に降り注ぐ。

蠢く、血潮・・・

貴方の激愛が、熱く私の
身体を駆け巡る。

「話し合いの場で
 タツミは・・・」

驚く、敢は息を飲む。

涙を流す、アリス。

敢は咄嗟にアリスの手を取り
自分の方へと引き寄せた。

そして、抱きしめる。

「アイツの事を
 思い出させて
 
 ごめんな、アリス」

『ごめんな、アリス』

私は、敢さんの背中に
腕を回した。

今の私は、混乱している。
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