木苺の棘
あなたがアナタになる。

「謝らんでいいよ
 タ・ツミ・・・
 
 もっと強く
 抱きしめて」

敢さんは何も言わずに
ただ黙ったまま

巽になって私をその腕に
抱きしめてくれた。

そして、優しく
私の頭を撫でてくれる。

『彼(巽)を忘れられない?
 
 そんなに
 アイツが、好き?』

『彼を忘れて・・・』

漣・・・

私は、貴方を愛しているの。

貴方だけを愛しているのに

私は、幻影の愛に触れ
愛しさに涙を流す。
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