木苺の棘
「Merry X'mas Show
 楽しんで」

その声に湧き上がる
ファンの歓声。

シルクハットとウィッグを
外した漣。

華美な衣装とは裏腹に
影のあるゴシックメイクが
映え、ファンを魅了する。

ファンの歓声、蠢く観客を
目の当たりにして

俺はもう
正気じゃいられない。

俺を、狂わせる・・・

クリスマスイブだというのに
私は、お店に出て接客を
していた。

「モカちゃん
 はい
 クリスマスプレゼント」

「えっ、私にですか?
 嬉しい
 開けてもいいですか?」
< 562 / 674 >

この作品をシェア

pagetop