木苺の棘
ダイヤが輝く
高価な時計に驚く私。

「こんなにも
 高価なプレゼントは
 私、頂けません」

「そう、気に入らなかったなら
 仕方ないね」

暗い表情を浮かべる
年配の紳士なお客様。

「気に入らないなんて
 そんな・・・
 あまりにも素敵すぎて
 私には似合わない」

「モカちゃん
 手、貸して」

お客様は私の腕に時計を
嵌めてくれた。

「心配しないで
 親子ほど年の離れた君と
 どうこうなろうなどとは
 思っていないよ

 これは、いつもくだらない
 オジさんの話に親身になって
 付き合ってくれる、優しい君
 に感謝の気持ちを込めて
 プレゼントしたまでさ
 
 貰ってくれるね?」
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