木苺の棘
「はい
 ありがとうございます
 
 大切にします」

「乾杯しよう
 メリークリスマス」

「メリークリスマス」

ずっしりと重い腕時計の
ついた手で、グラスを持ち
合わせる。

カチン・・・

グラスの中、揺れるワイン
を飲み干す。

「さあ、恋人のいない
 寂しい皆さん
 
 繰り出しますよ
 夜の街に・・・」

マミちゃんの言葉を受けて
仕事を終えた私達は
女だらけで、寂しく飲みに
出かけた。

クリスマス一色の街並み
眩いばかりのライト。

夜は更けても、まだ
輝きを放っている。
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