木苺の棘
キラキラと輝くダイヤの付いた
腕時計。

時計に触れる、貴方は
見つめて言う。

「高そうな時計
 お前、買ったの?
 な訳、ねえか・・・」

笑った貴方は、顔を顰めた。

「イサミ、大丈夫?」

「痛え」

「大丈夫、ですか?」

離れようとその場に立つ
私を力強く抱きしめる
敢さん。

胸元に触れる。

「柔らかいね、お前の胸
 生きてて良かった」

「馬鹿・・・
 女を抱けるなら
 もう、大丈夫ね
 
 本当、心配して損したぁ
 私、帰るわ」
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