木苺の棘
「ツユカさん・・・?」

「モカちゃんがイサミの
 傍に居てくれるなら
 もう、大丈夫ね
 
 イサミの事
 宜しくお願いします
 
 それじゃあ、素敵なイブを
 病床で何だけど・・・」

病室を出て行く、露歌さん。

開かれるドアから室内が
見渡され、外で待っていた
舎弟達は声を上げる。

「兄貴
 目が覚めたんですか?」

「貴方達、野暮な事はやめて
 しばらくの間
 二人だけにしてあげなさい」

閉まるドア・・・・・・

露歌さんは勘違いしてる。

早く、誤解を解かなきゃ。

ずっと、敢さんを慕い続けて
生きて来た、露歌さんが今
傷ついている。
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