木苺の棘
マンションの前で二人は
立ち尽くす。

何を話せばいいのか・・・

別れたはずの二人

逢っていなかった時間

二人は、戸惑う。

「こんなところまで
 押しかけて、ごめん」

「ううん」

話が続かない・・・

「アリス
 今日は仕事なの?」

「うん」

「そうか・・・
 じゃあ、出直すわ
 
 夜、店が終わる頃
 迎えに行く
 少しでいい、逢えないか?」

「駄目だよ
 お店は、駄目」

即答する、アリスに
漣は問う。

「どうして、駄目なの?」
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