木苺の棘
私は、漣の腕に両手で触れ
強く強く握り締めた。

「レン・・・
 できないよ
 
 貴方を諦めること
 私にはできない

 何度も諦めようと
 思ったけど、思えば思う程
 貴方を愛してる私がいるの」

あの時も
あの時も
貴方を諦めようとした。

「貴方を想うことが
 どんなに辛くても
 私は、貴方を想ってた

 昔も、今も・・・」

「アリス」

漣は、その胸に
私を抱きしめてくれる。

抱きしめられた私は
最高の幸せを知る。

誰に抱かれても味わうことの
できない、究極の幸福を。

わたしの愛は

あなただけのもの。
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