木苺の棘
「本当、いいの?」

愛くるしい顔で微笑む
アリス。

俺は、お前に強請る。

「ああ

 だから、アリス
 早く帰って来てよ」

私を見つめる、漣の瞳から
私と離れたくないと願う
貴方の想いが感じられた。

「すぐに、帰るよ」

貴方が待つ、この場所に
私は飛んで帰って来る。

貴方の元に・・・

漣は、待つ。

この部屋で
アリスの帰りを待ち続ける。

お前を待ってる・・・

だから、早く
帰って来いよ・・・

傷ついても構わない

そんなの嘘だろう?

漣・・・
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