木苺の棘
聖なる夜に、俺はただ一人
愛する女を待ち続ける・・・

テーブルの上には、お菓子の
つまった赤いサンタのブーツ
が一つ置かれている。

二人きりで過す約束をした
クリスマス・・・

『すぐに、帰るよ』

お前は・・・

帰って来ない。

連絡もない・・・

俺は、一人きり
主の存在しない部屋で
朝を迎えた。

アリス・・・

これが、お前の答えならば

俺は、もう
ここに居る意味が無い。

俺は、この部屋を出た。
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