木苺の棘
木苺の棘

解ける棘

諦めなきゃ・・・

諦める?

『どうして、お前は
 この俺を
 諦めようとする?
 
 俺は、お前を
 諦める事

 できないのに・・・』

漣の言葉を思い出した。

「レンを諦めること
 私にはできない」

漣に逢いたい・・・

私は、貴方に逢いたい

ただ、その思いを胸に
上着を着替え、鞄を持ち
玄関へ。

私の瞳に、ある物が映る。

漣は、この玄関の棚に決まって
外した帽子と眼鏡を置く。
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