木苺の棘
漣・・・

聞いてやることぐらい
できただろう?

『レンに、逢いたいよ』

俺は、探す・・・

必死に探す。

そして、人込みの中
俺は、見つける・・・

愛しいアリスの、後姿を。

「アリス」

振り返るアリスの瞳は
真赤に腫れて、かわいそうな
事をした。

駆け寄ろうとした漣に
アリスの悲しい声・・・

「来(こ)んといて」

「アリス?」
 
「来ん方がいい
 
 私らは
 一緒にならん方がいい」

お前は、また棘に支配される
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