木苺の棘
漣は駆け寄り、その腕に
アリスを抱きしめた。

「もう、レンを
 傷つけたくないねん」

漣は、アリスを抱きしめる
腕を強く強く縛る。

「レン、痛い
 苦しいよ」

漣の声・・・

「痛くて苦しいのは
 お前だけじゃない
 俺も同じ・・・
 
 でも、二人なら
 どんな痛みにも
 どんな苦しみにも
 耐えられるだろう?

 今、この時だって
 俺は幸せを感じられる

 お前だってそうだろう?」

頷く、アリス。

「本当だね

 私、幸せだよ」
< 633 / 674 >

この作品をシェア

pagetop