木苺の棘
昨夜のことなど
もう、どうでもいいさ

「アリス
 俺は、もう一度だけ
 お前に言う

 一緒になろう?

 俺の傍に居てよ」

本当に、私でいいの?

こんなにも脆く
こんなにも弱い、私で・・・

そう、貴方に聞こうとしたけど
私は、その言葉を飲み込んだ

「はい

 貴方の傍にずっと
 居させてください」

見つめ合う、二人に
零れる、微笑み。

ほっとした貴方は
照れくさそうに、口元を緩めた

その唇に、私は指先で触れる

触れ合う唇

時が止まる・・・

二人だけの空間・・・

二人だけの・・・
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