木苺の棘
その場所が路上であること
人込みであることを忘れて
私達は口づけ合う。

街中で、路上キス・・・

そんなの見慣れた光景。

ただ一つ、違うのは

「やっぱり、レンだよ
 キャー」

「うそー
 ブランブリーのレン」

未来の旦那様は
ロックスターで

私達を取り囲む人々の
多さに驚く二人。

「レン、どうしよう?
 すごい、人だかり」

漣は、悪戯な微笑みを
浮かんで見せた後
首を傾げた。

「もう、レン・・・」

プップッ、プー

クラクションの音・・・

一台の車・・・
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