木苺の棘
「うん、いいよ
 そうだ、ライブの帰りに
 泊まりおいでよ」

「うん」

「タマキ先輩の家でしょう?
 先輩が、よく行くコンビニ
 いろいろと教えてあげるね」

「うん・・・ありがとう」

教えてあげる・・・

少しだけその言葉に心が
ざわつくけど・・・

教えて欲しいよ。

大好きな先輩の事・・・

私だって、知りたい。

ライブの当日・・・

八重の家に泊まる荷物を持つ
私の手が、鞄の柄を強く強く
握り締める。
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