木苺の棘
私は、酷い罵声を
彼女に投げかけた。

感情の赴くままに
放ってしまった言葉・・・

その言葉のナイフは
八重の胸に突き刺さる。

「ごめんなさい
 
 ごめんなさい
 
 私を許して・・・」

「どうしたの、アリスちゃん?
 
 気分でも悪い?」

ごめんなさい、ヤエ・・・

鳴り響く・・・

携帯電話の着信音
 
その音を聞きながら
私は、気が遠くなり
意識を失う・・・
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