木苺の棘
「殺されてもいいよ」

「アリス、アリス
 しっかりしろ」

病院のベッドの上
目覚めると、そこには
巽がいた。

「タツミ
 どうしてここにいるの?」

「この馬鹿
 心配させんな
 
 軽い貧血だって・・・」

流れる涙・・・

頬に翳した、巽の手・・・
 
「青い顔して、驚かすなよ」

私を心配そうに覗きこむのは
マナさん。

「アリスちゃん、大丈夫?
 びっくりしたよ」
< 76 / 674 >

この作品をシェア

pagetop