木苺の棘
「マナさん、ごめんなさい
 急に気分が悪く
 なってしまって・・・」

「私こそ、ごめんなさい
 
 さっき弟に、この病院まで
 車で送ってもらう途中に
 聞いたの
 
 亡くなった
 新名(にいな)さん
 
 アリスちゃんのお友達
 だったのね
 
 ごめんなさい」

その言葉を、巽は黙って
聞いていた。

マナさんは瞳を潤ませて
余計な事を話してしまったと
私に謝ってくれた。

「いいんです
 マナさん、あなたは
 何も知らない・・・

 でも、どうしてここに
 タツミ、貴方が居るの?」
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