木苺の棘

未練の恋

たまき先輩と、八重が
付き合っている。

その事実を知ってから
私の地獄の日々は始まる。

貴方に逢えて
楽しいはずの時間が
苦痛でしかない。

逃れられない苦痛・・・

作り笑いが、痛々しい。

いつになれば、恋も愛も
知らなかった、あの少女の頃
のように、心から笑える日が
くるだろう。

「アリス、おはよう」

「おはよう」

たまき先輩の隣は
八重の居場所になった。

私は、少しずつ歩く速度を
ずらして、二人の後姿を
見つめる。 
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