木苺の棘
八重は、たまき先輩を見て
可愛らしく、にっこりと
微笑んだ。

貴方が、ポケットから出した
手を広げると手の平に小銭が
たくさん・・・

その手を、八重に差し出した。

八重は、貴方の手の上から
ジュース代を取る。

「レン、ありがとう
 どれにしようかなぁ?」

ジュースを選ぶ、八重の後姿。

財布を持ち、順番を待つ私に
貴方は、その手を差し出す。

「ほらっ、アリスも取れよ」

「私は、いいです
 小銭なら財布に
 たくさんあるから・・・」

そう言って、赤色の財布を
左右に振る私に、貴方は言う。
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