木苺の棘
この世にはいない、八重を想い
切ない表情を浮かべる

たまき先輩・・・

優しい歌声・・・

私の心は、深い後悔と
罪悪感と悲しみに苛まれていく

耐え切れず、私は目を閉じた。

曲は終わり、コマーシャルへ

テレビの前から動けない
私の頭にタオルが掛かる。

「アリス、拭いてやる」

巽は、私の濡れた頭、髪
を、タオルで優しく拭いて
くれる。

「ありがとう」

「両手、上げろ
 背中、冷たいだろう?
 着替えた方がいい」

両手を上げると、巽がシャツを
脱がせてくれた。
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