D-elite
ハジマリ
4月7日 火曜日
上を見れば雲ひとつ無い青空が澄み渡り、
その水のなかをペンギンが…渡り鳥だろうか、何羽か飛んで、どこかへ消えた。
「何見てんのっ」
「うわあっ」
…上を見ていた僕の真上に急に顔をのぞかせた…
葉月だ。ー
幼稚園のころからの、言ってみれば幼なじみになる。
好奇心いっぱいで、
元気があって、
なんでもできて、…
正直、真逆な僕から見たら憧れで、
ちょっと意識してたり、…。
「いつまでそんな顔してんの!
早くしないと!!」
「あ、うん」
僕たちは今年で中学3年生。
そう、「受験生」ってやつ。
今日から新学期で、クラス発表があるのだ。
「同じクラスだといいね!」
「あ、うん」
葉月は僕を呆れるような眼で見つめてから、小走りで門へ向かっていった。
今思うと、このころからだったのかもしれない。
2人の間に「すきま」ができたのは。
それを示唆させるように、
お互いのクラスは1組と6組。
真逆だった。