D-elite
正直、葉月が居ないところで、
自分がどうこうなるわけではない。
今までも違うクラスだったことはあった。
あったけど…。
なんか、今回は、何かが違った。
なにが違うのかは、わからないけど…。
単純に、
去年は葉月と同じクラスだったし
すごく充実してたから、
今年も一緒がいいかなあ~…なんて思ってみたりしてみただけで、
別にいなくたって…ね?
ホラ、別に葉月が死ぬわけじゃないしさ、
だから…その
「何言ってんの」
えっ…
「あっ、ヒロくん…おはよう」
「どうした?熱でもあんじゃね~?」
そう言って僕の横を通り過ぎた。
彼も幼なじみに近い存在だ。
大橋飛呂己。
だからヒロくん。
彼はもともといじめられっ子で、
小学校の時いつも名前の漢字が書けなくて、
それだけでバカにされていたのを
僕が助けたのがきっかけだ。
「人の名前をバカにするな!!」ってね。
あの頃の僕は今の僕よりも
強くて、
はっきり主張していた。
いつの間にか、
ヒロくんはみんなと仲良くなり、
いつの間にか、
僕がいじめられ…
ヒロくんは、見て見ぬ振り。
でも、僕はヒロくんが好きだ。
「変わる」ことができたんだもん、
ヒロくんは。