幼なじみは俺様彼氏
「あの、今日は…お2人にご相談があって。」

「なに?」

「楓を俺の実家に住まわせてみませんか?」

「奏汰くんと一緒に住むってことか?」

「はい。」

「いいよ、全然。むしろ2人で暮らしたくなったらいつでも!!」





なにそれ?




ちっとも心配じゃないの?




みんなは親の干渉がウザイって言うけど…じゃあこれは?





歯を強く噛み締めて、大きく息を吸った。





「バッカじゃないの!?」

「楓?親になにを言うの!?」

「笑わせないで!!親っていうなら、娘の誕生日にメールくらいしたら?高校入学おめでとうのメールくらいしたら?」

「楓?」

「心配したことある?あたしのこと。あたしの為に努力したことある?いっつも勝手だよ!!」

「何言ってるの?」

「楓は平気?なにそれ?いつあたしが平気って言った?言っとくけど、あたしはいい子なんかじゃない!!そっちで都合よく楓をつくらないでよ!!」





とまらない。




わかってる。





こんなこと、親に向かって言うことじゃない。




でも、家があまりにも冷たいから。





あたしがあまりにも温かさを知らないから。




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