幼なじみは俺様彼氏
神楽と郁くんの方は見ない。




…見れない。





廊下に出たらヒソヒソ話されて。





胃がキリキリする。





チェーンに通してネックレスにした指輪。





それを握りしめて耐える。





何をするにも用心深くなる。






体育のときは、常に更衣室を気にするようになった。




なにかをさわる前に確認するようになった。





あたしって怪しくない!?






仕事に行くと心が軽くなる。





「あれっ、UMIサン来たの!?」

「まだお前を育成中だからたまにはな!!」

「怒られないように頑張りまーす!!」





仕事には絶対に手を抜かないって決めてる。






ここでは楓は関係ない。





「またよくなってきた。」

「え、なんか…素直にほめられるとコワイ…。」

「「あはは!!」」





スタッフさんたちと笑いながら仕事する。




それが好き。





「楓、今日は終わりか?」

「うん!」

「一緒に帰ってやるよ。」




結局、海クンは全部の撮影についてきた。





「お前痩せたな〜。痩せすぎは良くない。」

「ん。でも…。なんでもない!」

「はぁ?」


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