幼なじみは俺様彼氏
◎奏汰



「なぁ奏汰。もうすぐあの日だな?」

「あの日?」




撮影の休憩中、突然洸輔がそう言った。




あの日…。





洸輔の誕生日?




…たしか違う。






「まぢわかんねぇ。」

「はぁ!?お前にとって今まで地獄だった日だよ!!」

「…あ。」





バレンタイン…というやつですね…。





毎年毎年、俺の机や靴箱、ロッカーには溢れるほどのチョコが入ってる。





だから地獄。





悪いけど、全部食ってらんねぇ。





「でも!!今年は楓いるもんな?」





そうだ!!





今年は楓がいる。





楓に恐れをなした奴も多いはず。






「つか、楓以外のいらねぇ。」

「だろうな!」

「洸輔は少なくていいよね。」

「うぜぇ!!ムカツク!!」





いやいや、嫌みじゃなくまぢで思ってますよ。





でも…楓にもらえると思ったら楽しみかも。






「いらねぇのはメガネくんのとこだな。」

「あぁ、毎年奏汰がいらないのあげてる…素性不明の…。」






名前も知らないメガネくんはいつも理科室にいるから、毎年あげてる。



< 259 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop