花嫁の証

「結衣花…お前…」


空夜君はあたしを
見つめたまま動かない



気付いたか…




あたしから《痛み》
という感覚が消えた事に





「咲矢!
あたしはもう痛くないから
大丈夫!
多分これからも…ね」




あたしの言葉の
意味が分からないという
顔をしている





「無くなっちゃった…」



人間にとって
大丈夫な感覚がまた一つ






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