花嫁の証

『会いたかった…結衣花…』


声の主は確実に
結衣花と言った


なんで名前知ってんの…?
まさか……


「ストーカー!?」


あたしは急に怖くなり
逃げるように走り出した




「はぁっ……はぁっ…」


どれくらい走った
のだろう



『逃げるなど許さない』


声は常に
あたしの近くで聞こえる



嘘でしょ!?
なんで…




『知りたいか?』


そう声が聞こえた瞬間



バッ



目の前には銀色の長髪
血に飢えた紅の瞳

黒いマントに
昔の貴族が着ていそうな
豪華な服



どれにしろ2010年
現在ではありえない姿だ




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