花嫁の証

バッ

あたしは飛び起きた



ツゥー…


嫌な汗が流れた


「…………」


しばらくぼんやりしていると
手に違和感があった


「空…夜君………」




静かな寝息を立てて
眠っている



空夜君がなんで…
手を握って…



あの時…


手を握ってくれたのは…




「ありが…とう…」


声が震えた
護ってくれてありがとう…



「っ…うぅ…」


いつか…
いつか本当にあたしは…





あたしは握られた
手を離し

布団をかけた



起こさないように




ガタン



部屋を出た






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