新たなる神話

第５話 四天王 タルーマティ

地獄界の入り口

ココは天帝が住む宮殿の｢天帝の間｣。スダレの奥にいる天帝に天界の諜報局の局長であるウォカマナフが、片膝ついて報告する。

このとき、諜報局が当たっていたた最重要任務が悪神界の拠点の調査である。聞き取り調査では、なんら成果が上がらなかったため、諜報局が総力をあげて、実際に調査にでかける手法に切り替えたのである。

天界を隅々まで調べた話は記憶に新しいだろう。残るは下界(地上界)と地獄界である。今回、調査対象となったのは地獄界である


ウォカマナフ：ひと月ほど前、我が部下である諜報局員を十数名地獄界に派遣したのですが、全員行方不明となっており、何の音沙汰もありません

ティシュトリヤ：どういうことです!?閻魔大王が悪神界をかくまっているとでも!?


ティシュトリヤとは、天帝の側近で、天帝の右前に座している。


ウォカマナフ：いえ・・・閻魔大王の身辺もある程度調べさせましたが、何ら変わったことはありませんでした

ティシュトリヤ：そうよの。閻魔大王からの報告も何ら変わった様子はない。