空が恋で満ちる時
「あの……どちら様でしょうか?」
すっくと立ち上がる男。
こうして見ると、かなり背が高い。
「俺の名前は右龍(ウリュウ)!
土佐の国からはるばる来たぜよ!」
「……は?」
「娘を護れ、と君のお父さんに
言われて、ここへ来たんじゃ」
「お父さんに…!? …てゆうか、
護る、って…?」
全くワケが分からない。
ホントなんなの、この人――
その瞬間、彼は私の前まで
歩いて来ると、腰を曲げて
いきなり私の顔を覗き込んできた。
ーー只今の顔距離…ゼロ
「可愛い顔じゃのう」
「………!!!??? なっっ…/////」
彼はそう言ってくすっと笑うと
私の頭をそぅっとなでた。