自伝
帰りは早瀬さんが住んでいる街の駅からは、程遠い駅で降りた。


また、私は奥さんには知られてはいけない立場なのだと感じた。


それから、すぐ予告通り相模原の駅の近くの不動産屋で、部屋を見つけるため、何度も通った。

少し広めのワンルームを見つけて、その日に契約した。


お金は亮のカードから作った。


生活に必要な物も全部亮のカードで支払った。


当然、そんな準備をしている私を、亮の家族や妹たちが何度も亮との仲を戻そうと電話や家に来た。

私が別に思う人がいる事で家を出る事は誰も考える訳はなく

私も自分の立場を守る為に、叔母さんや今までの不満を理由に説明した。


次の日曜日に引っ越しを決めた。


いつものように、店に行こうとした私に


「なぁ…出て行くなら麻理英引き取ってくれよ」



「無理に決まってるでしよ。そしたら働けないじゃん。分かっててそういう事言うの止めてよ!」


わかってる…


でも、悪魔になるしかない…。

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