自伝
雨…


「今日は止めたら?」

「亮ちゃん箱車出してよ、あれなら濡れないじゃん」


だいたい、持って行く家具はタンス1つだけだった。


後は直接、買った所から配達してもう手配だから


「分かったよ」


上着を着ようとした亮のポケットから
離婚届けが落ちた。

「なんだ。持ってたの?じゃあ書いて出しとくわ」


「あっ、違っ…まだ」

勢いで書いたもののまだ、決心出来てない感じだった…


彼に対してはもう本当に情すらなかった私は、平気な顔をしてサインをした。


「じゃあ…これは私が出しておくね」


「…」


情すら消えた理由ならある


家を出ると決めてから、ほとんど亮は子供達と実家から帰らなくなってた


子供達は夕方に保育園に迎えに行き実家に連れて行くのが私の役目


その日も、いつものように、子供達を実家へ連れて行った。

「亮ちゃん!子供達帰って来たからね」



「…」



「?」


「亮ちゃん…?」


お風呂入ってるの?

「ねぇ…」


お風呂場のドアを開けた



・・・えっ!?・・・
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