自伝
とっさに思った。


彼女が亮に教えたんだ…


悟史さんと付き合っている私を恨んでるんだね


病院でカルテを見れば全てが分かるはずだから…


「綾…今日は仕事休めよ…」


「ううん…大丈夫、出来るよ」


「じゃあ、終わったら必ず来いよ。金とかそんなの気にしないでいいから」


「うん、そうするね」

「車もいつもの所じゃなくて、違う所に止めとくんだぞ」


「そうするね」


それからは、家にもあまり帰らなくなってた…


湾岸線沿いのラブホでフリータイムを利用して夕方まで眠っていた。


悟史さんは


仕事へ行く前に一度家に戻って着替えをして私の所へ戻って来る。


いつも…いつも


一緒にいた


「もうさ、こっちに戻って来ないか?」


「お金ないよ」


「それなんだけど、俺のアネキが銀行で働いてるから、しかも融資課だから頼んでみるよ」


「本当?ありがとう」

早速、次の日にお姉さんの働いている銀行に2人で向かった。


「ちょっと待っててくれる?」


「えっ?私行かなくていいの?」


「俺が借りるからね(笑)」
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