自伝
しばらくは、何もなく平穏に毎日が過ぎて、夜の店にも普通に行ってた。


ただ、今もう悟史さんの店に行く事はなくなったけど。


「綾ちゃん!電話」


店に悟史さんの親友から電話がかかっきた。


「ちょっと、失礼しますね」


「もしもし?」


「綾です、久しぶりですね!どうしたんですか?」


「悟史がさ、家…出たらしいんだけど、もしかして、あんたの所にいるの?」


「…」


無愛想な言い方に少し、ムッとしたけど何だか、ものすごく怖かった。


悟史さんを失うようで…


「来てないよ。それに、悟史さんに直接聞けばいいじゃん」


「あいつ店辞めたんだけど」


「えっ!?」


「知らないの?」


本当に初耳…


「さっき店に電話したら、辞めるって行って帰ったらしいよ」


じゃあ…家に帰ってるのかな…


「引っ越しの金、悟史が出したんだろ?あんたの所に本当に居ないの?」


「しつこいなぁ…知らないもんは知らないから!引っ越すお金は借りたの!ねぇ…仕事中だから切ってもいいかな」


「絶対に居ないんだな」


「居ないから!」


必死だった。


悟史さんと親友は家族ぐるみの仲良しで、奥さん同士も仲が良いって悟史さんから聞いた事がある。

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