自伝
泣きたいのは私の方だよ…


そう言って…もう泣いてた。


そんな私を見て、悟史さんが動いた。


「綾…大丈夫だから」」


隣の部屋に私を連れて行き


「話が終わるまでここに居て」


悟史さんの袖を握り締めてた


力強く抱きしめながら


「大丈夫だよ」


そう言ってまた、戻って行った。


言われた通り、ただ祈りながらジッとしてた


「中台…悪い」


「悟史さん…」


「小夜子ちゃん…綾には俺しか居ないから」


「愛してるの?」


「うん…」


「分かった。なら、もう何にも言わないけど、ケジメだけはつけろよ」


「あぁ…分かってるよ」


2人は帰って行った

悟史さんが…


私を…


選んでくれた…


「綾…」


「…」


「顔…グシャグシャ、洗ってこいよ(笑)」


「?」


涙をぬぐった手のひらに落ちたマスカラがついてた。


「本当だね…(笑)」


「やっと笑った」


でもね…


泣けるぐらい不安だったんだよ…
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