自伝

戻れない道

夜の仕事に行くのが嫌だった…


絶対に石井さん黙って帰った私の事起こってるだろうな…


そんな重い気分のまま家に帰ると


「お帰り。飯食ってから行くだろ?」


そう言って、イソイソと夕飯の支度をしてくれてた…


春陽が私の足に絡みついて来た


ニッコリ笑いながら

この瞬間だけは、いつも例えようのない安らぎ


春陽を抱き上げて部屋の奥に入る


「綾…」
今日は休めば?」


「休みたいけど…私もさ、500万円の借金踏み倒せないし」


「ごめんね…俺のせいで…」


悟史さんは決してヒモとかそういうことの生活を望んでいた訳じゃない


頑張ろうとすればするほど


空回りしてしまうだけなんだよね


それが分かるから、どんなに辛くても早く立ち直って欲しくて


なのに…


間違った選択に気が付いていないのは


私の方だったんだよね


気が乗らないまま
店に出た。


店が始まったのと同時に

石井さんが入って来た


何も知らないママは

「綾ちゃんおねがいね」
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