自伝
私には目標があった

会計士になりたかった。


破産すれば10年間は資格を取る事が出来ない


そんなのやだよ…


「もう、俺らにはそれしかないよ…」


春陽が屈託のない笑顔で私達に甘えてくる


春陽…


「少し、考えさせて」

いつものように、店に行き


いつものように石井さんがやって来る


「石井さんは本当に綾ちゃんがお気に入りね」


「ママ、綾もらってもいいかな」


「またぁ…駄目よ」


「店にいくら前借りしてんの?」


「…本気?」


「本気だよ」


この日、石井さんは私がママに借りてた生活費を精算してくれた。


「ありがとう」


「俺と一緒に暮らせよ」


かなり、強引…


「子供も連れて来ていいから」


悟史さんと


別れろって事?


究極の選択だった。

家の留守電には催促ばかり…


相変わらず、悟史さんはもらって来たお給料を使い込む


ある意味


私がそばにいると悟史さんは駄目になってしまうのかな…
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